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胸腔鏡下交感神経切除術とその他

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胸腔鏡下交感神経切除術

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手掌多汗症には胸部の第2または第3交感神経の手術術が唯一長期に有効な治療法です.しかし確実に手掌を支配する神経を遮断すると代償性発汗が多いことから、最近では第3または第4、第5j神経の遮断を行っている。
また切除しないでクリップで神経をはさむ方法も行われている。この場合はクリップを外せば神経の遮断が回復する可能性がある。

胸を開けて神経を切る方法は以前は行われていましたが,開胸後の神経痛が残ったり,入院期間が長いことなどから今では殆ど行われていません。

われわれは20年前から切らないで神経を遮断するアルコールによる交感神経節ブロックでこの疾患の治療を行ってきましたが,8年前からは胸腔鏡とヴィデオカメラとモニターを使い直接交感神経を見ながら電気メスで切除する胸腔鏡下交感神経遮断術を始めました.

この手術は腋のすぐ下にに4mm径の穴を開けます.そこから炭酸ガスを注入し肺を横隔膜方向に押し下げ次いで切除鏡を胸腔内に挿入します.そして,モニターで見ながら第2または第3胸部交感神経を電気メスで焼灼切除します.両側の手の多汗を治療するためには両側の胸で手術を一度に行います.手術時間両側で20分ほどですが,全身麻酔をかけますので全経過は1時間弱を要します.

成功率が99%であり,胸部の病気の既往さえ無ければほぼ100%の成功率があります。われわれの施設では約1700人の患者さんに対して、3400回以上の手術を行って来ましたが,術後に障害を残すような合併症は全く経験していません、安全な手術法です。

われわれの手術を受けた患者さんの満足度は高く80%以上の方が非常に満足されています.患者さんの中には多くの医療関係者や医療関係の学生が含まれます.医療関係者は職業柄他人に手を触れる機会が多くその度に多汗を気にすることになりハンディーを感じることにます。

この治療法の唯一最大の合併症が代償性発汗です。胸腔鏡下交感神経切除術を行うと、掌だけでなく、腕、首、顔面、頭部と肩から上部胸部の汗が止まります。汗には手掌、足の裏に出る精神性発汗とそのほかの有毛部分から出るl温熱性発刊があります。胸腔鏡下交感神経切除術では精神性発汗のみでなく、先に述べた部分の温熱性発汗も停止させてしまいます。首や、腕、顔は露出部ですから出た汗が蒸発しやすいので、見た目には汗が出ていないように思いますが、実際は感じなくても暑いときは汗が出ているのです。

胸腔鏡下交感神経切除術をすると、露出部から汗が出ないため、代わりに服に覆われたおなかや、背中、大腿、臀部などから汗が出ます。そこでは汗が蒸発しにくいために汗が目立つようになります。

私たちは代償性発汗を少なくするために、切除部分を少なくし、顔面に行く交感神経を残すような手術法をしています。

手掌多汗症の治療には手術のほかに効果は一時的ですが、塩化アルミニュームローションや、イオントフォレーレシスなどの方法もあります。

20%塩化アルミニュームは市販されていあません。、医師の処方の元に院内で製剤することは可能である。われわれの施設では軽度の手掌多汗症にはこれを進めています。

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