星状神経節ブロック
このブロックは、首にある交感神経節に局所麻酔薬を注入する治療法です。
交感神経を遮断することで、頭・首・顔・肩・腕・手・胸・背中への血流を良くし、痛みを和らげる、筋肉の緊張をほぐすなどの効果があります。
また、病気や緊張で乱れた体の調和を回復させる作用があります。
ブロック前の注意
出血が止まりにくい方、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を内服している方は事前にお知らせください。
当日体調が悪かったり、通院中に他院で、新しいお薬を飲み始めた方もお知らせください。
ブロックの方法
- ベッド上に仰向けになり、首から肩の力を抜きます。
- ネクタイ・ネックレス・ボタンなどをはずして、襟元を広げます。
- 顔は正面を向き、あごをやや突き出して口を軽く開いてください。
- 医師が指で首の筋肉や血管を押し分けて注射し、局所麻酔薬を5ml注入します。
- 注入中、肩や後頚部・背部にズーンと重い感じがするときがあります。
- 注入後、注射部位にガーゼを当てますので反対側の指でしっかりと5分間圧迫して下さい。
その後30分安静を守ってください。
ブロック後の変化
薬の注入後、5分から10分すると、まぶたが垂れ下がる、瞳孔が小さくなる、目の充血、鼻が詰まる、汗が止まるなどの変化が起こることがあります。
これはブロックがよく効いている証拠です。
合併症
- ① 声のかすれ・声が出ない・喉の詰まった感じ(反回神経麻痺)
- 症状がある間は飲んだり食べたりしないでください。無理に咳払いをしないでください。
- ② 腕のしびれ、腕の筋力低下(腕神経麻痺)
- 症状のある間は、車やバイクの運転はさけてください。腕の感覚がなくなりますのでケガや火傷に注意して下さい。
※①②は局所麻酔薬が他の神経を麻痺させたために起こる症状です。
時間が経てば必ず元に戻りますのでご安心ください。
- ③ 血管内注入
- 注入した局所麻酔薬が血管内注入に入ると耳鳴り、めまいを起こすことがあります。
- ④ 注射部位の痛み
- 数日で改善します。
- ⑤ 出血→血腫
- 首の出血が続き、血の固まり(血腫)を作るときがあります。また非常に稀ですが血腫が大きくなり気道を圧迫し呼吸ができなくなる時があります(窒息)。息のしづらさを感じた時は直ちに病院に連絡ください。遠方の方は救急車で最寄りの救急病院を受診して下さい。
※合併症による検査、治療費は通常の保険診療扱いとなりますので、ご了承ください。
医療法人社団 SPC会 塩谷ペインクリニック
大塚 康久
小杉 志都子